順番を変えると、うまくいくことがあります
一般的な説明は「どう動かすか」から始まります。しかし、動かし方を覚えても、姿勢が無理な形になっていれば数分で首と顎が疲れ、呼吸が浅くなり、そこで集中が切れます。結果として「技術以前に続かない」という状態になります。
そこで、順番を次のようにします。①姿勢を決める、②手の位置を決める、③呼吸のリズムを決める、④そのうえで動かし方を選ぶ。①から③が整っていれば、④はかなり自由が利きます。逆に①から③が崩れていると、④をいくら工夫しても長続きしません。
01 姿勢
基準は、首が前に折れていないことです。首が折れると気道が狭くなり、息が吸いにくくなります。加えて顎に余計な力が入ります。上体を起こし、背中から首までを一直線に近い形にして、身体ごと近づける形にすると、この負担が減ります。
横向きに寝る、相手に座ってもらって自分は膝をつく、ベッドの端に腰かけてもらう、といった体勢の選択肢があります。どれが楽かは身体つきによって違うので、一つに決めず、その日楽な形を選ぶほうが現実的です。腰や膝に不安がある場合は、クッションで高さを調整すると変わります。
02 手の位置
手は補助ではなく、主役の半分です。片手で根元を支えると、口が届く範囲を自分で決められるようになります。これがないと、深さの調整が首の動きだけになり、負担が一気に増えます。
支える位置を口に近づけるほど、口が触れる範囲は浅くなります。つまり「奥まで入れなくて済む」状態を手でつくれます。深さが不安な方ほど、この一点で楽になります。もう一方の手は、腿や腹部に軽く置いておくと体勢が安定します。
03 呼吸
止めないことだけを決めておけば十分です。多くの方が、集中すると無意識に息を止めます。止めた状態が続くと、苦しさが一気に来て、そこで中断することになります。
具体的には、口が離れている瞬間に必ず一度吸う、というリズムを作ります。動きを速くするほど吸う機会が減るので、速さより、離れる間隔を一定に保つほうを優先します。鼻で吸えているかを時々確認するだけでも変わります。
04 動かし方は、そのあとで選ぶ
①から③が整っていれば、動かし方の選択肢は広がります。舌を使う、唇の締め方を変える、手と口で速さを変える、といった工夫はここで入れます。ただし、全部を同時に試そうとすると姿勢が崩れます。一度に変えるのは一つだけにして、楽なまま続けられるかを見るのが確実です。
映像で見る動きを基準にすると、続けにくい形になりがちです。映像は見せるために作られていて、続けやすさとは別の基準で組み立てられています。この差の扱いは上達したい人へで書いています。
やらないほうがよいこと
- 痛みを我慢して続ける(顎関節や喉を痛めます)
- 息を止めたまま速さを上げる
- 歯が当たるのを気にして口を大きく開け続ける(唇の使い方で解決します)
- 体勢を変えずに長時間続ける
やり方についてよくある質問
歯が当たってしまいます。
口の大きさより、唇を巻き込む使い方と角度で変わることがほとんどです。大きく開け続けるほうが当たりやすくなります。
顎がすぐ疲れます。
首が前に折れている姿勢が原因のことが多くあります。上体を起こして身体ごと近づける形に変えると変わります。
どれくらいの時間が普通ですか。
基準はありません。時間の長さより、途中で苦しくならずに終えられるかを目安にするほうが現実的です。
手を使うのは手抜きになりませんか。
なりません。手で根元を支えることで深さを自分で決められるようになり、続けやすくなります。
途中で疲れたらどうすればいいですか。
体勢を変える、手に切り替える、いったん止める、いずれも問題ありません。